Benchmark Price

概要

Benchmark Priceとは、市場での取引や契約の参考基準となる価格のことです。特定の商品やサービスにおいて、「価格のものさし」となる値段を意味します。特にコモディティ取引では、現物の価格交渉や契約条件を決める際に使われる重要な指標です。

ベンチマーク価格は、特定の取引や地域、商品における「標準的な取引価格」として広く認識されており、その価格にプレミアムやディスカウントを加えて実際の価格が決まることが多いです。

よく使われる例

• ブレント原油（北海産原油）の価格：世界の原油取引の基準
• プラッツ（Platts）価格：石油製品や金属、LNGなどの標準指標
• 上海やロンドンの鉄鉱石価格：アジアや欧州の指標として使われる
• LME（ロンドン金属取引所）の価格：銅、アルミ、ニッケルなどの国際基準

これらはすべて、多くの取引がこの価格を前提に設定される「価格の出発点」です。

商社や取引現場での使い方

• 販売や調達契約において、「〇〇ベンチマーク＋〇ドル」といった形で価格を定める
• ローカルな相場や品質差を反映して、ベンチマークに対して調整（Basis）を加える
• 契約更新時の価格改定交渉において、ベンチマークの動向を重要な根拠とする
• 在庫やポジションの時価評価を行う際の参照価格とする

たとえば「CFR Japanの石炭価格に対してプラス5ドル」で販売するといったように、ベンチマークが契約交渉の出発点になります。

特徴と注意点

• 指標が公開されるタイミングや頻度は、日次、週次、月次などさまざま
• ベンチマークそのものが現物取引ではなく、価格評価者の調査・報告に基づくことが多い（例：Argus、Platts）
• 場合によっては、市場がベンチマークを疑い、信頼性が下がることもある
• 価格を基準にしすぎると、市場実態とのずれに気づきにくくなるリスクもある

関連用語

• 指標価格
• Formula Pricing（指標連動価格）
• Basis（価格調整差）
• デリバリーポイント
• 契約グレード（Contract Grade）