Delta Hedge

### 概要 デルタヘッジ（Delta Hedge）は、オプションなどのデリバティブポジションのリスク管理手法の一つです。デリバティブの価格感応度を示す指標「デルタ（Delta, Δ）」を用いて、そのポジションが持つ価格変動リスクを、原資産（または他のデルタを持つ商品）の反対ポジションを取ることで相殺（ニュートラル化）しようとするヘッジ取引です。 ### 目的 主な目的は、ポートフォリオ全体を「デルタ・ニュートラル（Delta Neutral）」な状態、つまり原資産価格がわずかに変動してもポートフォリオ全体の価値が変化しない状態に近づけることです。これにより、価格変動の影響を（一時的に）排除し、他のリスク要因（ボラティリティ変動（ベガ）や時間経過（セータ）など）に対するエクスポージャーを管理します。 ### 方法 オプションのデルタ値に応じた量の原資産を反対売買し、ポートフォリオ全体のデルタの合計がゼロになるように調整します。 - オプション買い（正のデルタ）→ 原資産売り - オプション売り（負のデルタ）→ 原資産買い ### ダイナミックヘッジの必要性 オプションのデルタは常に変化するため、デルタ・ニュートラルを維持するにはヘッジポジションを継続的に調整し続ける「ダイナミックヘッジ」が必要です。 ### 利用場面 - オプションのマーケットメーカーのリスク管理。 - ボラティリティ取引など、価格変動リスクを除去したい場合。 デルタヘッジは基本的なリスク管理手法ですが、ガンマリスクなどが残る点や頻繁な調整が必要な点に留意が必要です。