デリバティブとは、原油や金利、為替、株価指数などの値動きをもとに作られた金融商品のことです。実際に原油や株を持たずに、将来の価格に連動した契約だけを売買します。先物、オプション、スワップなどの種類があり、リスクを回避したり、値動きから利益を狙ったりする目的で企業や投資家に使われます。商社が資源価格の下落に備えるときなど、実務でも幅広く利用されています。

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### 概要 Derivativeとは、株や通貨、商品などの「実際の資産（原資産）」の価格に基づいて価値が決まる、派生的な金融商品のことです。英語の「derive（派生する）」が語源で、「何かに依存して価値が決まるもの」という意味を持っています。たとえば、原油の価格が上がるか下がるかを基に作られた先物契約は、原油そのものではありませんが、原油の値動きに連動して取引されるため、デリバティブに分類されます。 ### 主な種類デリバティブにはいくつかの種類があります。代表的なものは次のとおりです。 - 先物（Futures）：将来、あらかじめ決めた価格で売買する契約 - オプション（Options）：売る・買う「権利」だけを持つ契約 - スワップ（Swaps）：異なる通貨や金利などを交換する契約 - フォワード（Forwards）：将来の売買を1対1で約束する契約（先物と似ているが取引所を通さない） ### 何のために使うか - 価格変動による損失を防ぐため（ヘッジ） - 少ない元手で大きな取引を行うため（レバレッジ） - 特定の価格変動から利益を得るため（投機や裁定）たとえば、輸入業者が将来の為替レートを固定したいときに「為替先物」を使うと、為替の変動リスクを回避できます。 ### 実務での利用例 - 商社が原油や金属の価格変動を避けるために先物契約を活用 - 投資家が株価指数のオプションで相場の上下に対応 - 銀行同士が金利スワップで異なる金利のリスクを交換 ### 注意点 - 実際の商品を持っていない状態で取引されることが多いため、**仕組みが見えにくくリスクの所在が複雑になりやすい** - レバレッジが効く分、損失が膨らむ可能性もある - リーマンショックのように、金融システム全体に影響を与えた事例もある