ESG-linked Bond

### 概要 ESG連動債（ESG-linked Bond）とは、債券の発行体が、事前に設定したESGに関する目標の達成度合いに応じて、その債券の利率（クーポン）などの発行条件が変動する仕組みを持つ債券の総称です。代表例に「サステナビリティ・リンク・ボンド（Sustainability-Linked Bond, SLB）」があります。 ### 特徴と仕組み - **目標設定:** 発行体は野心的かつ測定可能なESG目標（KPI）とその達成水準（SPT）を設定します。 - **条件変動:** SPTの達成状況（第三者検証あり）に応じて、利率が変動（ステップアップ/ダウン）します。 - **資金使途:** グリーンボンド等とは異なり、**調達資金の使途は限定されず**、発行体全体のESGパフォーマンス向上へのコミットメントを示す点が特徴です。 ### メリット - **発行体:** ESG目標達成へのインセンティブ。ESGへの取り組みをアピール。汎用的な資金調達手段。 - **投資家:** 発行体のESGコミットメントを評価。目標未達時のリターン下支え効果期待。 ESG連動債は、企業のサステナビリティ戦略と財務戦略を結びつける、サステナブルファイナンスの手法の一つです。ICMAなどが関連原則（SLBP）を定めています。