Export Customs Clearance

### 概要 輸出通関（Export Customs Clearance）とは、貨物を一国の関税領域から合法的に国外へ送り出すために、その国の税関当局に対して行われる一連の法的手続きです。これには、輸出申告書の提出、必要な許可・承認の取得、場合によっては輸出関税や諸税の支払いなどが含まれます。 ### 主な手続き内容 - **輸出申告:** 貨物の品名、数量、価格、仕向地などの情報を記載した輸出申告書を税関に提出します。 - **審査・検査:** 税関は提出された書類を審査し、必要に応じて貨物の現物検査を行います。 - **輸出許可:** 審査・検査の結果、問題がなければ税関から輸出許可が与えられます。 これらの手続きは、通常、輸出者自身または輸出者から委任を受けた通関業者が行います。 ### インコタームズにおける負担者 インコタームズ規則では、輸出通関手続きを行う義務と、それに伴う費用（通関手数料、関税など）をどちらが負担するかが明確に定められています。 - **売主負担:** FCA, FAS, FOB, CFR, CIF, CPT, CIP, DAP, DPU, DDP の10規則では、原則として売主が輸出通関手続きを行い、費用を負担します。 - **買主負担:** EXW（工場渡し）のみ、買主が輸出通関手続きと費用を負担する義務を負います。 したがって、インコタームズ規則を選択する際には、輸出通関の責任分担を考慮に入れることが求められます。