Fishmeal

### 概要 魚粉（Fishmeal、ぎょふん）は、主にイワシ、アンチョビーなどの多獲性小魚を原料として、煮熟・圧搾・乾燥・粉砕を経て製造される粉末状の製品です。フィッシュミールとも呼ばれます。高タンパク質でアミノ酸バランスに優れるため、重要な飼料原料として国際的に取引されています。ソフトコモディティ（動物性タンパク質源）に分類されます。 ### 主な用途 - **養殖魚飼料:** 魚類の成長に不可欠なタンパク質や必須脂肪酸を豊富に含むため、養殖用配合飼料の主要原料として使われます。 - **畜産飼料:** 豚（特に子豚）や鶏の飼料としても、栄養価を高めるために配合されます。 - **ペットフード:** ペットフードの原料としても利用されます。 ### 生産と取引 主要生産国はペルー、チリです。ペルー沖のアンチョベータが主な原料となります。国際貿易が活発で、中国が最大の輸入国です。主要な国際先物市場はありませんが、現物価格が国際指標として注目されます。 ### 価格変動要因 - **漁獲量:** 最大の変動要因。エルニーニョ現象などによる海水温変化がペルー沖などの漁獲量に大きく影響します。漁獲枠の設定も影響します。 - **需給バランス:** 世界的な養殖生産の動向（特に中国）、畜産飼料としての需要、在庫水準、輸出入動向。 - **代替タンパク質原料価格:** 大豆粕など、競合する他の飼料用タンパク質原料の価格動向。 - **為替レート:** 主要生産国・消費国の通貨変動。 魚粉は、天然資源（漁獲量）と、食料生産（養殖、畜産）の両方に深く関わる商品です。