Ichimoku Kinko Hyo

### 概要 一目均衡表（Ichimoku Kinko Hyo）は、1930年代に日本の細田悟一（ペンネーム：一目山人）が開発し、1969年に発表した、世界で広く利用されているテクニカル分析手法です。「一目見て相場の均衡状態がわかる」ことを目指して設計されています。 ### 5つの構成要素 一目均衡表は以下の5つの線（と、それによって形成される「雲」）で構成されます。 - **転換線:** （過去9日間の最高値 + 最安値） / 2。短期的な相場の中心線。 - **基準線:** （過去26日間の最高値 + 最安値） / 2。中期的な相場の中心線。 - **先行スパン1:** （転換線 + 基準線） / 2 を、26日先にプロットしたもの。 - **先行スパン2:** （過去52日間の最高値 + 最安値） / 2 を、26日先にプロットしたもの。 - **遅行スパン:** 当日の終値を、26日過去にプロットしたもの。 - **雲（抵抗帯）:** 先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域。 ### 見方と利用法（三役好転/逆転など） 一目均衡表は、これらの線の位置関係やクロス、価格と各線の関係、特に「雲」との関係を総合的に見て相場を判断します。代表的なシグナルに「三役好転」「三役逆転」があります。 - **三役好転（強い買いシグナル）:** 1. 転換線が基準線を上抜く。 2. 遅行スパンがローソク足を上抜く。 3. ローソク足が雲を上抜く。 - **三役逆転（強い売りシグナル）:** 1. 転換線が基準線を下抜く。 2. 遅行スパンがローソク足を下抜く。 3. ローソク足が雲を下抜く。 その他、基準線の向き（トレンド方向）、雲の厚さ（抵抗の強さ）、各線のクロスなどが分析のポイントとなります。 ### 特徴 - 時間論、波動論、値幅観測論という独自の理論体系に基づいています。 - トレンドの方向性、サポート・レジスタンス、相場の転換点を一つのチャートで複合的に示唆します。 一目均衡表は、日本発祥でありながら海外でも広く使われている、奥の深いテクニカル分析手法です。