Imperfect Hedge

### 概要 インパーフェクトヘッジ（Imperfect Hedge）とは、ヘッジ取引を行った結果、ヘッジ対象資産の価格変動リスクを完全には除去できず、何らかのリスクが残ってしまう状態のヘッジを指します。「不完全ヘッジ」とも訳されます。理論上の「パーフェクトヘッジ（完全ヘッジ）」と対比される概念です。 ### なぜ不完全になるのか？ 現実の市場でパーフェクトヘッジを達成することは困難であり、多くのヘッジはインパーフェクトヘッジとなります。主な理由は以下の通りです。 - **ベーシスリスクの存在:** ヘッジ対象とヘッジ手段が同一でない（クロスヘッジ）、価格差（ベーシス）が変動する、期間や満期が一致しない、品質や場所が違うなど。 - **数量の不一致:** ヘッジしたい数量とヘッジ手段の取引単位が一致しない。 - **タイミングのずれ:** ヘッジ実行と価格変動発生のタイミングのずれ。 - **取引コスト:** 手数料やスプレッド。 - **信用リスク:** OTCデリバティブなどのカウンターパーティリスク。 ### 意味合い インパーフェクトヘッジでは、リスクを低減できますがゼロにはできません。ヘッジ後にも残存リスク（Residual Risk）による損益変動の可能性が残ります。リスク管理では、この残存リスクの程度を評価し、許容範囲かを確認することが求められます。 最小分散ヘッジ比率などは、このインパーフェクトヘッジにおいて残存リスクを最小化することを目的として計算されます。