Lifecycle Emissions

### 概要 ライフサイクル排出量（Lifecycle Emissions）とは、ある製品やサービスが、その「ゆりかごから墓場まで（Cradle-to-Grave）」、すなわち原材料の採掘・調達、製造、輸送、使用、そして最終的な廃棄・リサイクルに至るまでの**全てのライフサイクル段階**において、直接的・間接的に排出される温室効果ガス（GHG）の総量を指します。製品カーボンフットプリント（PCF）と同義で使われることが多いです。 ### 算定範囲と手法 算定は、ライフサイクルアセスメント（LCA）の手法に基づいて行われます。各段階でのエネルギー消費、原材料使用、輸送などに関連するGHG排出量を積み上げます。GHGプロトコルの製品基準などがガイドラインとなります。算定範囲によりCradle-to-Gate（工場出荷まで）、Cradle-to-Grave（廃棄まで）などとも呼ばれます。 ### 目的と利用 - **製品の環境影響評価:** 個別製品の気候変動への影響度を定量的に把握します。 - **排出削減機会の特定:** ライフサイクル全体で排出量の多い段階を特定し、効果的な削減策を検討する基礎情報となります。 - **製品間の比較:** 類似製品間で環境性能を比較するための指標となります。 - **情報開示・マーケティング:** 環境配慮製品として算定結果を開示・表示（CFP表示など）します。 - **サプライチェーン管理:** Scope 3 排出量算定の一部としても活用されます。 ライフサイクル排出量の算定は、製品レベルでの脱炭素化を進める上での出発点となります。