Magnesium

### 概要 マグネシウム（Magnesium）は、原子番号12、元素記号Mgで表されるアルカリ土類金属元素です。銀白色の軽い金属で、実用化されている金属材料の中では最も密度が低い（アルミニウムの約2/3、鉄の約1/4）という大きな特徴があります。また、加工性にも優れています。ただし、単体では強度が低く、化学的に活性で燃えやすい（特に粉末状）性質も持ちます。 ### 主な用途 その軽さを活かした用途が中心です。 - **軽量合金:** 最大の用途は、アルミニウムや亜鉛、マンガン、希土類元素などとの合金（マグネシウム合金）です。軽量でありながら十分な強度を持つため、自動車部品（エンジン部品、ホイール、ステアリングなど）、航空機部品、電子機器（ノートパソコン、カメラ、スマートフォンなど）の筐体、工具、スポーツ用品などに利用され、軽量化による燃費向上や性能向上に貢献しています。 - **ダイカスト:** 融点が比較的低く（約650℃）、鋳造性が良いため、ダイカスト（金型鋳造）による部品製造に適しています。 - **鉄鋼脱硫剤:** 製鉄プロセスにおいて、溶鋼中の硫黄分を除去するための脱硫剤として利用されます。 - **花火・照明弾:** 燃焼時に非常に明るい白色光を放つため、花火や写真撮影用のフラッシュ（古くは）、軍用の照明弾などに利用されます。 - **その他:** 犠牲陽極（防食）、有機合成におけるグリニャール試薬、医薬品（制酸剤、下剤）、健康食品（ミネラルとして）など。 ### 資源と生産 海水中に豊富に存在するほか、マグネサイト（菱苦土石）やドロマイト（苦灰石）などの鉱石としても産出します。主な生産方法は、海水やかん水からの電解法、または鉱石を還元する熱還元法です。中国が世界の生産量の大部分を占めています。 マグネシウムは、軽量化が求められる様々な分野で利用が拡大している金属材料です。