Natural Hedge

### 概要 ナチュラルヘッジ（Natural Hedge）とは、金融派生商品などの特別なヘッジ手段を用いることなく、企業の通常の事業活動や財務活動の中に、特定のリスク（為替リスク、金利リスク、コモディティ価格リスクなど）を自然に相殺するような仕組みや状態が内在していることを指します。「自然的ヘッジ」とも呼ばれます。 ### 具体例 - **為替リスク:** 輸出で得た外貨を、同通貨建ての輸入支払いに充てる。 - **金利リスク:** 変動金利での借入と変動金利での貸付がバランスしている。 - **コモディティ価格リスク:** 原材料価格上昇を製品価格に転嫁できる、または原材料と製品価格が連動している。 ### 特徴と利点 - **コスト不要:** デリバティブ取引のような直接的なコストがかかりません。 - **自動的:** 事業活動を行う中で自然にリスクが軽減される場合があります。 ### 注意点 - **完全な相殺は稀:** 通常、リスクが完全に相殺されることは稀です。 - **認識と管理:** ナチュラルヘッジが効いている場合でも、その効果の程度を認識し、残存リスクを評価・管理することが望ましいです。 企業は、デリバティブヘッジを検討する前に、まず自社の事業構造の中にナチュラルヘッジの要素がないかを確認することがあります。