Price Formula

### 概要 価格フォーミュラ（Price Formula）または価格決定式とは、特に長期的な供給契約や変動要素の大きい商品の取引において、実際の取引価格を決定するための計算式やルールを、契約当事者間で事前に合意しておくものです。固定価格ではなく、契約期間中に変動する市場指標などに連動して価格が自動的に調整されるように設計されます。 ### 目的 - **価格変動リスクの分担・軽減:** 市場価格変動リスクを、双方にとって受け入れ可能な形で反映させます。 - **価格決定の透明性・客観性:** 価格決定プロセスを明確な計算式に基づかせ、恣意性を排除します。 - **交渉の効率化:** 取引の都度価格交渉を行う手間を省きます。 ### 構成要素 通常、以下の要素を組み合わせて構成されます。 - **基準価格 (Base Price):** 特定の市場指標（例: 月平均の原油価格）など。 - **調整項 (Adjustment Factors):** 品質差、輸送コスト差、為替レート変動などを反映させる加減項目。 - **係数 (Coefficients):** 各要素の影響度合いを調整する係数。 - **価格改定条項:** 定期的にフォーミュラ自体を見直す条項。 ### 利用場面 - **LNG長期契約:** 伝統的に原油価格連動フォーミュラ（近年はスポット価格連動も増加）。 - **鉱物資源長期契約:** スポット市場価格や指標価格連動。 - **電力供給契約:** 燃料価格や卸電力市場価格連動。 - **化学品長期契約:** 原料価格や関連市況連動。 価格フォーミュラの設計は、当事者間のリスク分担や収益性に直結するため、契約交渉において考慮すべき点となります。