Quote-Driven Market

### 概要 クォート・ドリブン市場（Quote-Driven Market）とは、金融市場の取引形態の一つで、マーケットメイカーやディーラーといった特定の市場参加者が、継続的に売り気配（Ask）と買い気配（Bid）の価格（Quote）を提示し、他の市場参加者はその提示された気配値に基づいて取引を行う市場のことです。「気配駆動型市場」や「ディーラー市場」とも呼ばれます。 ### 特徴 - **気配値の提示:** マーケットメイカー/ディーラーが常に売買価格を提示し、流動性を供給します。 - **相対取引（OTC）が中心:** 為替市場（FX）、債券市場、スワップ市場など、取引所を介さない店頭（OTC）市場で多く見られます。 - **価格決定:** 取引価格は提示された気配値に基づきます。投資家は複数のディーラーの気配値を比較します。 - **透明性:** 取引所のように全ての注文情報（オーダーブック）が公開されているわけではなく、透明性はオーダー・ドリブン市場より低い傾向があります。 ### オーダー・ドリブン市場との比較 オーダー・ドリブン市場（注文駆動型市場）は、投資家の注文同士が取引所システムで直接マッチングされる形態（多くの株式市場など）です。 - **クォート・ドリブン:** ディーラーが価格を提示。 - **オーダー・ドリブン:** 投資家の注文同士が付け合わされる。 近年は両者の特徴を組み合わせたハイブリッド型市場も増えています。 クォート・ドリブン市場は流動性が確保されやすい利点がありますが、透明性やスプレッドの点で特性が異なります。