Responsible Sourcing

### 概要 責任ある調達（Responsible Sourcing）とは、企業が自社の事業に必要な原材料、部品、製品、サービスなどをサプライヤーから調達する際に、従来のQCD（品質、コスト、納期）に加えて、環境（Environment）、社会（Social）、ガバナンス（Governance）といったESG要素を考慮し、サプライチェーン全体における倫理的・社会的なリスクを特定・評価・管理・軽減しようとする取り組みや方針のことです。「持続可能な調達」とほぼ同義で使われることもあります。 ### 目的と背景 グローバル化したサプライチェーンでは、サプライヤー段階での環境破壊、人権侵害、劣悪な労働環境、汚職、紛争加担などのリスクが存在します。これらの問題は、企業のレピュテーション毀損、法的責任、事業継続リスクなどに繋がる可能性があります。責任ある調達は、これらのリスクを予防・管理し、企業の持続可能性を高めるとともに、社会・環境課題の解決に貢献することを目的としています。 ### 主な取り組み内容 - **サプライヤー行動規範の策定・周知:** サプライヤーに求めるESG基準を明確化します。 - **サプライヤー評価・監査:** サプライヤーのESGへの取り組み状況やリスクを評価します。 - **デュー・ディリジェンス:** 特に紛争鉱物などリスクが高い原材料について、サプライチェーンを遡って調査します。 - **是正措置・エンゲージメント:** 問題発見時にサプライヤーと協働して改善を図ります。 - **情報開示:** 調達方針や取り組み状況を開示します。 - **業界イニシアチブへの参加:** RMI、ICMM、IRMA、LBMAガイダンスなどに参加・準拠します。 責任ある調達は、企業がサプライチェーン全体で社会的・環境的責任を果たす上で、不可欠な取り組みとなっています。