Risk Register

### 概要 リスク登録簿（Risk Register）とは、組織やプロジェクトのリスクマネジメント活動において、リスクアセスメントを通じて識別された個々のリスクに関する情報を体系的に記録し、追跡・管理するための文書、リスト、またはデータベースのことです。「リスクリスト」や「リスク管理台帳」とも呼ばれます。 ### 主な記録項目 - **リスクID:** リスクの識別番号。 - **リスクの内容:** 具体的なリスク事象の記述。 - **リスクカテゴリ:** 市場リスク、信用リスク、オペリスクなどの分類。 - **リスクの原因:** 発生要因。 - **潜在的な影響:** 発生した場合の影響内容と度合い。 - **発生可能性:** リスクが発生する可能性の評価。 - **リスクレベル:** 発生可能性と影響度を組み合わせた評価。 - **既存の統制策:** 導入済みの管理策。 - **リスク対応策:** 計画または実施されている対応策。 - **リスクオーナー:** リスクの責任者・部署。 - **対応状況・進捗:** 対応策の実施状況。 - **残存リスクレベル:** 対応策実施後のリスクレベル。 - **記録日、更新日:** 情報の更新日時。 ### 目的と利用 - **リスクの可視化と共有:** 組織が認識しているリスクを一覧化し、情報を共有します。 - **リスク評価と優先順位付けの記録:** アセスメント結果と対応優先度の根拠を記録します。 - **リスク対応の計画と追跡:** 対応策の計画と実施状況を管理します。 - **継続的なモニタリング:** リスク状況の変化や対応策の有効性を監視するための基礎情報となります。 - **報告:** 経営層や監査人などへのリスク状況報告の基礎資料となります。 リスク登録簿は、リスクマネジメントプロセス全体を通じて活用される、中心的な情報管理ツールです。定期的に更新することが求められます。