SBTi

### 概要 SBTi（Science Based Targets initiative）は、企業が設定する温室効果ガス（GHG）排出削減目標が、パリ協定が求める水準と整合した、科学的根拠に基づいた野心的な目標（Science Based Targets, SBT）であることを、国際基準に基づき認定する共同イニシアチブです。CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI、WWFによって2015年に設立されました。 ### 目的 企業のGHG排出削減目標が気候科学の最新知見と整合していることを保証し、企業の気候変動対策の実効性を高め、パリ協定の目標達成に貢献することを目指しています。 ### SBT認定のプロセスと基準 1. **コミットメント:** 企業はSBTiに対し、SBTを設定することを約束します。 2. **目標設定:** GHGプロトコルに基づき排出量を算定し、SBTi基準（1.5℃目標に整合する必要あり）に従って中長期の削減目標を設定します。 3. **妥当性確認申請:** 設定目標をSBTi事務局に提出し、基準への適合性について妥当性確認（Validation）を受けます。 4. **認定・公表:** 承認されるとSBT認定企業として公表されます。 5. **進捗報告:** 目標達成に向けた進捗状況を年次で開示することが求められます。 近年では2050年までのネットゼロ目標（Net-Zero Standard）の認定も行っています。 ### 意義と影響 SBT認定取得は、企業の気候変動対策への真摯な取り組みの国際的な証明となり、投資家（ESG投資）などからの評価向上につながる可能性があります。具体的な目標設定により社内での取り組み加速も期待されます。世界中の多くの企業がSBT認定を取得、または目指しています。