Shadow Price

### 概要 シャドウプライス（Shadow Price）とは、主に経済学やオペレーションズ・リサーチにおける制約付き最適化問題（例: 線形計画法）の文脈で用いられる概念です。ある制約条件（例: 予算上限、資源利用量）を微量だけ緩和した場合に、最適化しようとしている目的関数（例: 利益）の値がどれだけ変化（改善）するか、その限界的な価値を示します。「潜在価格」や「双対変数」とも呼ばれます。 ### 意味合い シャドウプライスは、その制約条件の「ボトルネック度」を経済価値として表現したものと言えます。 - シャドウプライスが高い制約は、それが目的達成の大きなボトルネックであり、緩和できれば目的関数が大きく改善することを示唆します。 - シャドウプライスがゼロの制約は、その制約にはまだ余裕があり、多少緩和しても目的関数の値は改善しないことを示唆します。 ### 利用場面 - **資源配分の意思決定:** どの制約を緩和することが最も効果的かを判断する手がかりとなります。 - **内部振替価格の設定:** 部門間で資源をやり取りする際の内部価格設定の根拠。 - **費用便益分析:** 公共事業などで、価格が直接付かない制約の限界的な価値（機会費用）評価。 ### 計算 線形計画問題においては、双対問題の最適解（双対変数）として得られます。 シャドウプライスは、直接市場で取引される価格ではありませんが、制約下での意思決定において資源の限界的な価値を示す指標として利用されます。