Trade Settlement

### 概要 取引決済（Trade Settlement）とは、金融取引やコモディティ取引が成立（約定）した後、事前に定められた決済日（Settlement Date）に、契約の当事者間で、**買い手が代金を支払い、売り手が証券や商品（またはその所有権）を実際に引き渡す**ことによって、その取引に関する相互の義務を履行し、最終的に完了させるプロセス全体を指します。「受渡し（うけわたし）」とほぼ同義で用いられます。 ### プロセス 約定から決済までの間には、通常「清算（Clearing）」プロセスが入ります。 1. **約定 (Trade Execution):** 売買契約成立。 2. **清算 (Clearing):** 取引内容確認、リスク管理、ネッティング等により最終的な決済内容を確定。 3. **決済 (Settlement):** 決済日に、確定した内容に基づき、資金決済システムや証券決済システム等を通じて、資金と証券（または商品等）の実際の移転を実行。 ### 決済方式 - **DVP (Delivery Versus Payment):** 証券引渡しと代金支払いを相互条件として同時に行う方式。 - **差金決済 (Cash Settlement):** 先物、オプション等で、現物受渡を行わず差額のみを現金で決済。 - **現物受渡し (Physical Delivery):** 商品先物等で、現物商品と代金を受け渡す。 ### 決済リスク 約定日から決済日までの間に、取引相手が決済義務を履行できなくなるリスク（決済リスク）が存在します。決済期間の短縮化や清算機関（CCP）の利用はリスク軽減策です。 取引決済は、市場取引の信頼性と安全性を確保するための最終段階であり、市場インフラの機能の一つです。