Tranche
トランシェ
ファイナンス
証券化商品(資産担保証券など)やシンジケートローンなどを、リスクや利率、償還順位などが異なる複数の部分(階層)に分割した際の、個々の部分を指すフランス語由来の言葉です。
マークダウンの解析中にエラーが発生しました
### 概要
トランシェ(Tranche)とは、フランス語で「一部分」「切り分けられた部分」を意味する言葉です。金融の分野では、主に以下のような文脈で用いられます。
1. **証券化商品における階層:** 住宅ローンや自動車ローンなどの債権を束ねて証券化した商品(資産担保証券 ABS、住宅ローン担保証券 MBS、債務担保証券 CDOなど)において、元となる資産プールから発生するキャッシュフローを受け取る権利や、デフォルト(債務不履行)が発生した場合の損失負担の順位が異なる、複数の階層(部分)に分割した際の、それぞれの階層を指します。一般的に、シニア(優先)、メザニン(中間)、エクイティ(劣後)といったトランシェに分けられ、リスクとリターンが異なります。
2. **シンジケートローンなどにおける分割実行:** 大規模な融資(シンジケートローン)や証券発行を、一度に行わず、複数回に分けて実行する場合の、各回の実行部分を指すことがあります。
### 証券化における意味
証券化商品のトランシェ構造は、投資家の異なるリスク許容度に対応することを可能にします。
- **シニアトランシェ:** 最も信用リスクが低く、最初に元利払いを受け取る権利を持つ。利回りは低い。
- **メザニントランシェ:** シニアの次に元利払いを受け取る。リスク・リターンは中間的。
- **エクイティ(劣後)トランシェ:** 最初に損失を負担するリスクが最も高いが、高いリターンが期待できる。
### 注意点
特にCDOなどの複雑な証券化商品におけるトランシェのリスク評価は難しく、サブプライムローン問題(リーマンショック)の一因ともなりました。
同義語・略語
階層(証券化)
関連用語
関連用語はありません
参考文献
参考文献はありません