Counterparty risk

### 概要 Counterparty Riskとは、契約の相手方（カウンターパーティ）が約束を守れなくなるリスクのことです。たとえば、代金の支払いができなくなったり、商品の引渡しがされなかったりする可能性を指します。取引の信用リスクの一種です。 「相手が倒産したらどうなるか」「契約途中で履行不能になったらどうなるか」を考えるのがこのリスクです。 ### よくある場面 - 売掛金の回収ができない - 輸出先の企業が代金を支払えない - デリバティブ取引で相手方が損失を補填できない - 銀行が信用供与した取引先の資金繰りが悪化する 商社や金融機関では日常的に契約を交わしており、「誰と取引するか」が常に重要な要素になります。 ### 実務での対応 - 与信限度を設定して、取引額を管理する - 保証金や担保を求めて、リスクを軽減する - 信用調査会社や格付けを活用して、取引先の信用力を確認する - カウンターパーティごとにリスクエクスポージャーを集計・報告する 特に商社では、取引先の財務状態や国・地域の信用リスクも含めて、複合的にリスクを評価します。 ### 金融取引での特徴 金融の世界では、デリバティブや為替取引、証券貸借などで発生するカウンターパーティリスクが特に重要です。取引の性質上、約束の履行が将来にずれるため、**相手方がその時点で健全である保証がない**からです。 このため、多くの国では、取引の相手を信用補完する「清算機関（CCP）」を使った取引を推奨しています。 ### 注意点 - 相手の信用力が高くても、急な破綻や流動性不足は起こりうる - 契約条項（支払期限、ペナルティなど）を明確にしておくことが重要 - 政治・法律・為替など、相手国に起因する間接的リスクも含まれることがある ### 関連用語 - 与信管理 - クレジットリスク（信用リスク） - 清算機関（Clearing House） - デフォルトリスク - リスクエクスポージャー