Credit Risk

### カウンターパーティリスクとの違い 「カウンターパーティリスク」は個別の取引相手に関するリスクを指しますが、「信用リスク」はもう少し広く、取引先の信用状態や返済能力そのものに関わるリスク全般を含みます。両者は近い意味で使われることもありますが、信用リスクの方が上位の概念といえます。 ### 具体例 - 顧客が売掛金を支払えなくなった - 債券を発行した企業が倒産し、利息や元本の支払いが不能になる - ローンを借りた個人が返済不能になる - 国が債務不履行（デフォルト）になる 商社や金融機関では、こうしたリスクを事前に見積もり、相手を選別し、必要なら担保や保険を付けることで管理します。 ### 実務での対策 - 与信枠の設定：相手ごとに取引上限を設ける - 格付けチェック：外部評価機関（ムーディーズやS&Pなど）の信用格付けを参照 - 支払い条件の調整：前払い、LC（信用状）などでリスクを回避 - 保険や保証：貿易保険や債務保証で損失をカバー ### 金融商品と信用リスク 金融の世界では、債券、CDS（クレジット・デフォルト・スワップ）、ローンなど、**信用リスクに特化した商品**も存在します。信用リスクを取る代わりにリターンを得る構造のため、その分析と管理がとても重要です。 ### 注意点 - 外見上の財務データが良くても、急な破綻リスクは常に存在する - 一社だけでなく、関連会社や国の信用状況にも注意が必要 - 契約条項や通貨リスク、法制度もリスクに影響を与える ### 関連用語 - カウンターパーティリスク - 与信管理 - 格付け（Credit Rating） - 債務不履行（デフォルト） - クレジットスプレッド