Execution Venue

### 概要 執行市場（Execution Venue、取引執行場所）とは、投資家から発注された金融商品の売買注文が、実際に相手方を見つけて約定（成立）する具体的な市場や取引システム、プラットフォームのことを指します。 ### 主な種類 - **規制市場 (Regulated Market):** - **取引所市場 (Exchange):** 公的な規制の下で運営される伝統的な市場（例: 東証、NYSE、CME）。 - **代替的取引システム (Alternative Trading Systems, ATS):** - **私設取引システム (Proprietary Trading System, PTS):** 日本で認可された証券会社などが運営する私設の電子取引システム（海外のダークプール等に相当）。 - **証券会社の社内執行システム (Internalizer):** 証券会社が顧客の売買注文を自社内で付け合わせる仕組み。 ### 最良執行方針 (Best Execution) 証券会社は、顧客注文に対し、価格、コスト、スピード等を考慮し、最良の条件で取引を執行する義務（最良執行義務）を負います。そのため、複数の執行市場から最適な市場を選択するSOR（スマート・オーダー・ルーティング）などが利用されます。 投資家にとっては、自身の注文がどの執行市場でどのような条件で執行されるかを理解することが大切です。 執行市場の多様化は、競争促進の一方で、市場分断化などの課題も指摘されています。