Immediate or Cancel (IOC)

### 概要 イミディエイト・オア・キャンセル（Immediate or Cancel, IOC）注文とは、金融商品の売買注文を出す際に付加する執行条件の一つです。この条件が付いた注文は、発注された瞬間に、**約定可能な数量だけを直ちに約定（Fill）**させ、**約定しなかった残りの数量（もしあれば）は即座にキャンセル（Cancel）**されます。 ### 特徴 - **即時性:** 注文が市場に到達した瞬間に約定できる部分だけが執行されます。 - **一部約定許容:** FOK注文とは異なり、一部だけでも約定可能な場合はその部分約定が成立します。 - **残量即時キャンセル:** 約定しなかった数量は注文板に残らず直ちにキャンセルされます。 ### FOK注文との違い - **FOK:** 全量約定できなければ、**全てキャンセル**。 - **IOC:** 約定可能な分だけ**一部約定**し、残りは**キャンセル**。 IOCは「今すぐ約定できる分だけで良い」という意図を反映します。 ### 利用場面 - 市場に存在する流動性を最大限利用したいが、注文を板に残したくない場合。 - 大口注文をIOCで複数回に分けて発注し、市場インパクトを抑えるアルゴリズム取引の一部として。 - 特定価格での指値注文をIOCで出し、部分約定を狙いつつ残量を残したくない場合。 ### 注意点 - 意図した全量が約定するとは限りません。 - 全ての取引所やブローカーで利用できるとは限りません。 IOC注文は、即時性と一部約定許容を組み合わせた執行条件です。