Rubber

### 概要 天然ゴム（Natural Rubber）は、主にパラゴムノキから採取される乳白色の樹液（ラテックス）を凝固・加工して作られる、弾力性に富んだ高分子素材です。工業原料として、特に自動車タイヤの製造に不可欠であり、ソフトコモディティ（または工業用コモディティ）として国際的に取引されています。 ### 主な用途 - **自動車タイヤ:** 最大の用途であり、タイヤの性能に重要な役割を果たします。 - **工業用製品:** ベルトコンベア、ホース、防振ゴム、履物、医療用手袋など、多くの工業製品に利用されます。 ### 生産地と種類 主要な生産国はタイ、インドネシア、ベトナムといった東南アジア諸国に集中しています。加工方法によって様々なグレード（RSS、TSRなど）があります。 ### 取引と価格変動要因 TOCOM（大阪取引所）、上海先物交易所（SHFE）、SICOM（シンガポール）などで先物取引が行われています。 価格変動要因は以下の通りです。 - **自動車産業の動向:** タイヤ需要に直結します。 - **天候:** 主産地の天候は樹液の採取量に影響します。 - **原油価格:** 代替品である合成ゴムの価格に影響します。 - **需給バランス:** 生産国の供給状況、工業製品需要、在庫水準、為替レート。 - **投機資金の動向:** 先物市場への資金流入・流出。 天然ゴムは、自動車産業の動向と密接に関連し、合成ゴムとの競合関係も持つ商品です。