Cadmium

### 概要 カドミウム（Cadmium）は、原子番号48、元素記号Cdで表される金属元素です。亜鉛鉱石に含まれることが多く、亜鉛製錬の副産物として主に生産されます。柔らかく展性・延性に富み、融点が低い（約321℃）特徴があります。 ### 主な用途（過去と現在） - **ニッケル・カドミウム電池 (Ni-Cd):** かつては充電式電池として広く利用されましたが、環境規制やリチウムイオン電池の普及により、用途は限定的になっています。 - **顔料:** 鮮やかな黄色や赤色を発色するため、「カドミウムイエロー」「カドミウムレッド」として絵具やプラスチック着色剤に利用されましたが、毒性のため使用は減少しています。 - **めっき:** 鉄鋼の防錆めっきとして優れた耐食性を示しますが、これも環境規制により他のめっき（亜鉛めっきなど）に代替されています。 - **低融点合金:** はんだなどの低融点合金の成分として利用されます。 - **その他:** 原子炉の制御棒、プラスチック安定剤など。 ### 毒性と規制 カドミウム及びその化合物は人体に対して高い毒性（特に腎臓への影響、イタイイタイ病の原因物質）を持つことが知られています。そのため、RoHS指令など国際的な環境規制により、多くの用途での使用が制限または禁止されています。 現在では、カドミウムの需要は限定的となり、リサイクルによる供給も行われています。