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EFPは、現物ポジションと先物ポジションを相対で交換する特殊な取引方法です。現物を保有する者と先物ポジションを持つ者が、市場を通さずに直接ポジションを交換することで、両者のニーズを効率的に満たすことができます。商品先物市場で広く利用される取引手法です。
EFP(Exchange for Physicals、現物交換取引)は、現物商品のポジションと先物契約のポジションを、市場外で相対的に交換する取引方法です。「現先交換」とも呼ばれ、現物市場と先物市場を結びつける重要な仕組みとなっています。
この取引では、現物の売り手が先物の買いポジションを取得し、現物の買い手が先物の売りポジションを取得します。通常の市場取引を経由せずに、両者のニーズを直接マッチングさせることで、取引コストの削減と効率的なリスク移転が可能になります。
EFP取引の価格は、以下の要素を考慮して決定されます:
穀物メジャーや石油会社などは、EFPを日常的に活用しています。たとえば、原油を保有する生産者が、精製業者の持つ先物ポジションと交換することで、価格リスクをヘッジしながら現物を供給します。
商社や流通業者は、EFPを使って在庫と先物ポジションを柔軟に調整します。需要の変化に応じて、現物在庫を先物ポジションに転換したり、逆に先物から現物を調達したりします。
異なる地域間での価格差を利用した裁定取引にも活用されます。ある地域の現物を別地域の先物ポジションと交換することで、輸送コストを考慮した利益を獲得します。
市場を通さない相対取引のため、手数料やスプレッドコストを削減できます。大口取引では、この節約効果が特に大きくなります。
標準化された先物契約と異なり、品質、数量、受渡し場所などを当事者間で柔軟に決定できます。特殊なニーズにも対応可能です。
大量の現物取引や先物取引を市場で行うと価格に影響しますが、EFPでは市場価格への影響を最小限に抑えられます。
EFP取引は取引所への報告が義務付けられています。取引の透明性を確保し、市場操作を防ぐための措置です。
多くの取引所では、EFP取引の参加者に以下を要求します:
取引の詳細を文書化し、監査に備えて保管する必要があります。価格の妥当性や取引の商業的合理性を証明できる必要があります。
仮装取引や相場操縦と見なされる可能性があるため、取引の実態が伴っていることが重要です。規制当局の調査対象となることもあります。
相対取引のため、取引相手の信用リスクを負います。特に現物の受渡しが絡むため、決済リスクの管理が重要です。
市場価格から大きく乖離した価格でのEFPは、税務上や会計上の問題を引き起こす可能性があります。
EFSはスワップと先物を交換する取引で、現物が関わらない点でEFPと異なります。金融商品で多く利用されます。
ブロック取引は大口の先物取引ですが、EFPは現物と先物の交換です。取引の性質が根本的に異なります。
代替可能性
ある商品のどの単位も品質が同じで、区別なく交換可能であるという性質のことです。「同質性」とも呼ばれます。この性質が、取引所での効率的な標準化取引を可能にする基盤となります。
コントラクト
コントラクトは、先物取引における標準化された取引単位で、1枚の契約が表す商品の数量を指します。日経225先物なら指数×1,000円、原油先物なら1,000バレルなど、商品ごとに定められた単位で取引され、ポジション管理や損益計算の基準となる重要な概念です。
売付取引
売付取引は、先物やオプション市場において売り注文を出して約定させる取引行為です。価格の下落を期待する場合や、買いポジションを決済する場合に行われます。新規に売る場合は「新規売り」、買いポジションを決済する場合は「転売」と呼ばれ、現物を持たずに売りから入れる点が先物取引の大きな特徴です。
転売
転売は、買いポジション(ロングポジション)を決済するために行う売り注文のことです。買い建てした先物契約を売却することで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、満期前の清算など、取引を終了させる基本的な決済行為です。
買付取引
買付取引は、先物やオプション市場において買い注文を出して約定させる取引行為です。価格の上昇を期待する場合や、売りポジションを決済する場合に行われます。新規に買う場合は「新規買い」、売りポジションを決済する場合は「買戻し」と呼ばれ、取引の基本的な行為の一つです。
中心限月
中心限月は、先物市場において最も活発に取引されている限月のことです。通常、期近限月や第一限月がこれに該当し、流動性が高く、売買スプレッドが狭いため、多くのトレーダーが取引の中心とする限月です。市場の価格発見機能が最も効果的に働く限月でもあります。
買戻し
買戻しは、売りポジション(ショートポジション)を決済するために行う買い注文のことです。空売りした先物契約を買い戻すことで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、または満期前の清算など、さまざまな理由で実行される基本的な決済行為です。
手仕舞い
手仕舞いは、保有している先物やオプションのポジションを反対売買により決済する行為です。買いポジションは売りで、売りポジションは買いで決済します。利益確定や損切り、満期前の清算など、さまざまな理由で行われる取引の終了プロセスで、ポジション管理の最も重要な判断の一つです。