Maximum Drawdown

### 概要 最大ドローダウン（Maximum Drawdown, MDD）は、特定の運用期間における、投資資産やポートフォリオの価値（または累積リターン）が、それまでの最高値（ピーク）から最も大きく下落した際の下落率（または下落幅）を指します。 ### 計算方法 分析対象期間中の各時点において、その時点までの最高値からの下落率を計算し、その中で最も大きな下落率をMDDとします。 例: 資産価値が 100 → 120 (Peak) → 90 → 110 → 80 → 130 (New Peak) と推移した場合、最初のピーク120からの最大下落は80までで、下落率は (120-80)/120 = 33.3%。これが期間中のMDDとなります（次のピーク130からの下落がこれより大きければ更新されます）。 ### 指標としての意味 - **最大損失リスクの把握:** その投資が過去に経験した「最悪の落ち込み」を示します。将来のリスクを推測する手がかりとなります。 - **下方リスクの代表指標:** 標準偏差とは異なり、特に価格下落方向のリスク（下方リスク）の大きさを示します。 - **戦略評価:** 投資戦略やファンドのリスク特性を評価する際に、リターンや他のリスク指標と共に用いられます。MDDが小さいほど、安定した運用であると評価される傾向があります。 ### 利用上の注意点 - MDDは過去の実績であり、将来の最大損失を保証するものではありません。 - 計算対象期間によってMDDの値は異なります。 - MDDの大きさだけでなく、そのドローダウンから回復するまでの期間（Drawdown Duration）も合わせて評価することが望ましいです。