Operational Risk

### 概要 オペレーショナルリスク（Operational Risk）とは、組織の内部プロセス、人（従業員）、システムが不適切であったり、機能しなかったりすること、または外部の出来事によって損失を被るリスクを指します。市場リスク（価格変動リスク）や信用リスク（取引相手のデフォルトリスク）以外の、事業運営そのものに伴う様々なリスクを包括的に捉える概念です。 ### リスク要因（バーゼル規制分類例） - **内部不正:** 従業員による横領など。 - **外部不正:** 詐欺、サイバー攻撃など。 - **雇用慣行と職場環境:** 不当解雇、労災など。 - **顧客、商品、業務慣行:** 不適切販売、契約不履行など。 - **物理的資産の損害:** 災害、テロなどによる損壊。 - **システム障害:** ITシステムダウン、通信障害など。 - **事務・取引・プロセス管理の失敗:** 取引処理ミス、事務エラーなど。 ### 特徴 - **多様性:** リスク要因が非常に多岐にわたります。 - **定量化の難しさ:** 発生頻度や損失額の予測・定量化が難しい場合があります。 - **内部統制との関連:** 効果的な内部統制の構築・運用と密接に関連します。 ### 管理 リスクの識別、評価、統制活動、損失データ収集・分析、インシデント報告、モニタリング（KRIなど）、保険によるリスク移転などを通じて管理が行われます。 オペレーショナルリスクは、あらゆる組織に内在するリスクであり、その適切な管理は組織の安定的な運営に不可欠です。